糖尿病と歯周病について
2009/04/26院長の豆知識
現在、私は熊本市歯科医師会の仕事の一つで、たまに記事を書くことがあるのですが、最近、「糖尿病と歯周病の関係」についての記事を書いたので、それを掲載しようと思います。
最新の調査によると、日本人の1870万人が糖尿病か、その予備群であると言われています。また、日本人の成人の約80%の人は、歯周病の状態であると言われています。さらに、40歳代を過ぎると、歯を失う原因が虫歯よりも、歯周病の方が高くなります。
糖尿病患者は、非糖尿病者に比べ歯周病が多発する事が確認されており、また、歯周病は網膜症、腎症、神経障害、心筋梗塞、脳梗塞に次いで、糖尿病の第6番目の合併症と言われています。さらに、最近では、歯周病を改善すると、糖尿病の状態もよくなるというデータも発表されています。
①:糖尿病の人は、免疫力が低下して、歯茎の炎症がおこりやすくなるため、糖尿病が歯周病をもたらし、悪化させるといわれます。
②:歯周病がひどくなると、炎症によって出てくる物質TNF-α(炎症性サイトカイン)がインスリンの血糖値をコントロールする働きを妨げて、糖尿病の状態を悪くするといわれています。
また近年では、内臓肥満も高血糖とは独立して、歯周病の重症化に関与する事が分かってきました。すなわち、肥満の2型糖尿病患者(今で言うメタボリックシンドロームのような患者)はより重症の歯周病を発症している可能性が高いといえます。
さて、糖尿病を調べる場合、血液検査を行いますが、その際の指標となるものにグリコヘモグロビン(HbA1c)というものがあります。血液検査した日から約1~2ヶ月前の血糖の状態を推定できます。正常値は、4.3~5.8%で、6.5%以上であれば、ほぼ糖尿病と判断して良いことになっています。
注目すべきは、効果的な歯周治療を行う事によって、重度の歯周炎を発症した2型糖尿病患者では、このHbA1c値が0.5~最大1.0%程度改善するといわれています。この改善はインスリン抵抗性の改善によってもたらされるものと考えられ、HbA1c値を1%低下させることで、細小血管障害の発症を約37%、抹消血管障害による四肢の切断や死亡を43%、心筋梗塞を14%、脳卒中を12%低下させることが可能であるとされています。また、これらを総合的に解析した結果、HbA1c値を1%低下させることで、糖尿病に関連した全死亡も21%予防できるとしており、1%低下の意義、歯周治療の意義は極めて大きいと思われます。
どうですか?当院に治療に来られている患者様でも、該当する方がおられると思います。
もしかして私も??と思われる場合、いつでも気軽にお尋ねください。
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